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川崎 亮*; 渡辺 龍三*
PNC TJ9601 93-004, 68 Pages, 1993/03
高速増殖炉において用いられている燃料被覆管は、その環境の苛酷さよりさまざまな条件が課せられるため、現在用いられているSUS316材では比較的短期間の稼動で交換しなければならない。そこで本研究では長寿命の燃料被覆管を作製するために、スラリーディップ法を用いた傾斜機能材料の考え方を導入して、より耐食性、耐熱性に優れた材料を作ることを目的としている。基板は、SUS304粉末を金型およびCIP成形した円柱状の圧粉体とした。金属粉末をエタノール中に分散させたスラリー内に基板を浸漬し、引上げ、乾燥させ、CIP成形した後、HIP焼結した。傾斜材は組成の異なるスラリーに、同様の手順で順次浸して積層した後、HIP焼結した。焼結体については組織観察、SEM-EDX解析、EPMA解析、熱応力解析などを行い、さらに熱的安定性評価も試みた。Mo粉末の粒径および体積濃度を変化させてスラリーを調整し、均一なスラリー塗布層を形成するための条件を最適化した。Moが1層のみの時に比べ、傾斜組成制御した方が接合状態も良くそれは有限要素法による熱応力解析結果からも明らかである。SEM-EDX、EPMA解析から組成の傾斜および酸化物などの存在が確認された。熱的安定性については実験前後で大きな変化は見られなかった。以上の結果から、円筒状傾斜組成制御層の形成にスラリーディップ法が有効であるとわかった。